スルッとKANSAI協議会は1日、スルッとKANSAI対応カードの発売を終了すると発表しました。発売最終日は、2017年(平成29年)3月31日です。なお、「2dayチケット・3dayチケット」(限定版を含む)の発売はこれに先立ち通常版は今年の9月30日まで、限定版は今年の秋期までですが、大阪周遊パス等、加盟各社が発行するお得な乗車券の発売は施設の入館料割引等の特典が有るため、今後も続けます。

スルッとKANSAI対応カードおよび「2dayチケット・3dayチケット」発売終了は、同カードの利用の減少に伴うものです。2004年(平成16年)8月にICカード乗車券「PiTaPa」のサービスが始まり、2006年(平成18年)からはICOCA(JR西日本)との相互利用も始まり、2013年(平成25年)からはSuica(JR東日本)・PASMO等の関西以外のICカードも使え、同時にPiTaPaも関西以外(最北端はJR北海道Kitacaエリア、最西端はJR九州SUGOCA長崎エリア、最南端はSUGOCA鹿児島エリア)でも使える(ただし関西以外ではショッピングは対象外)ようになるなど、ICカードの利用が増えたことが背景としています。関西以外でクーポンを購入し、関西で引き換える「2dayチケット・3dayチケット」(限定版は関西で購入可能)についても、「移動範囲が広すぎて、元が取れない。大阪から青山町まで往復2時間かかる、サミット開催地の伊勢志摩へは行けない」や「桜花賞や天皇賞(春)、宝塚記念、秋華賞、菊花賞、エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ等の競馬のGⅠレース生観戦に2dayや3dayは要らない、そのエリアのみで使えるフリー乗車券あるいはICカードだけで十分」等のデメリットを訴える客が急増したことが背景としています。(例:府中でフェブラリーステークス、日本ダービー、天皇賞(秋)、ジャパンカップが、淀で天皇賞(春)と菊花賞が、中山で皐月賞と有馬記念が、仁川で桜花賞と宝塚記念が行われる時、PiTaPaで京王線京成線に、PASMOで京阪電車阪急電車に乗車可能)スルッとKANSAI対応カードの発売は、2017年(平成29年)3月31日(金)をもって終了。同カード発売事業者での発売箇所で、在庫がなくなった場合は、当該箇所での発売はその段階で終了とします。発売終了後も、駅の自動改札機や、バスでの利用を継続しますが、2018年(平成30年)1月31日(水)をもって共通利用も終了します。なお、「2dayチケット・3dayチケット」(限定版を含む)の利用はこれに先立ち通常版は今年の10月31日まで、限定版は今年の年末までですが、大阪周遊パス等は今後も利用できます。なお、スルッとKANSAI対応カードに対応する自動改札機は東芝製がほとんどです。(後述するパスネット対応自動改札機も同様)

なお、スルッとKANSAI対応カードの後輩にあたる首都圏のパスネット対応カードは、2000年(平成12年)に導入され、お得なチケットの発売は最後まで有りませんでした。JR東日本線や江ノ電、湘南モノレール、東京モノレール羽田空港線、千葉モノレール流鉄流山線、日立電鉄(現在は廃線)、鹿島鉄道(現在は廃線)、秩父鉄道、小湊鉄道、いすみ鉄道、山万ユーカリが丘線、わ鐵(わたらせ渓谷鐵道)、上信電鉄、関東鉄道、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線、伊豆箱根鉄道(駿豆線・大雄山線)、伊豆急行、箱根登山鉄道塔ノ沢~強羅間の各駅、富士急行、東武鉄道の無人駅、野岩鉄道会津鬼怒川線、西武多摩川線、東急世田谷線、都電荒川線、埼玉新都市交通では使用できず、その後2007年(平成19年)にPASMOが導入(2009年(平成21年)からは千葉モノレール、関東鉄道、ディズニーリゾートライン、伊豆急行にも導入。なお伊豆急行を除く3社はPASMOとSuicaの2種類のみ使用可)され同時にSuicaとの相互利用も開始されたのを理由に2008年(平成20年)に3月14日(一部事業者は2009年(平成21年)3月13日)の終電をもって自動改札機での取り扱いを終了し、2015年3月31日の終電をもって完全に利用を終了し、払い戻しの終了時期は2018年(平成30年)1月
31日終電を予定しています。

一方で、阪急電鉄、阪神電気鉄道、能勢電鉄、北大阪急行電鉄等の阪急阪神東宝グループの4社は、一部のスルッとKANSAI対応カードを、引き続き利用できるようにします。対象となるのは、阪急電鉄の「ラガールカード」、阪神電気鉄道の「らくやんカード」など、4社および大阪モノレールが発売した磁気カードです。2017年(平成29年)4月1日(土)以降は、4社間の共通利用カードとして新たに決める名称にて発売を行います。