熊本県を中心に相次いでいる地震で、気象庁は20日、16日未明に起きた「本震」の最大震度が6強ではなく、7だったと発表しました。

14日の最大震度も7を観測しており、一連の地震活動で震度7を2回記録するのは、観測史上初めてです。県災害対策本部は、車中泊に伴う肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)など「震災関連死」とみられる人が計11人に上ると発表。それとは別に、建物倒壊などの死者は20日午後10時現在で48人となり、2人が安否不明となっています。14日の前震から21日で1週間になりますが、今も9万人以上が避難所に身を寄せます。政府は緊急支援の費用の支出などを決め、復旧の動きを加速させます。

気象庁によるりますと、熊本県益城(ましき)町と西原村の震度計のデータに不具合が生じており、震度計を回収して解析した結果、M7.3を記録した16日未明の本震時、同町と同村は震度7だったことが分かりました。ちなみに震度計(地震計)は明星電気製であり東芝製ではありません。

14日夜以降に熊本と大分の両県で起きた震度1以上の地震は、21日午前0時現在で計726回に上りました。震度7は2回、6強は2回、6弱は3回、5強は3回、5弱は7回観測されています。

熊本県が震災関連死の可能性があると発表した11人は、熊本市の7人、益城町の2人、阿蘇市、御船(みふね)町の各1人です。ただ益城町は20日夜、2人のうちの1人について、「関連死」との報告を取り下げたいと県に申し入れました。県が内容などを精査しています。

熊本市によると、同市の7人は、エコノミークラス症候群で18日に死亡が確認された女性(51)のほか、16~17日に死亡した52~99歳の男女6人です。6人のうち2人は車中泊をしていて死亡し、残り4人は自宅などで倒れて死にました。

一方、南阿蘇村では、19日夜から20日にかけて2人が見つかり、いずれも死亡が確認されました。

村によりますと、19日に死亡が確認された牧野富美さん(46)が、村発表の安否不明者の「岡本さん」と同一人物と判明しています。安否不明としていた「スギノさん」という人は存在していないことが分かり、この結果、安否不明者は2人となりました。