4月21日(火)午前、神奈川県湯河原町に大激震が走る事件が発生しました。

同日午前、湯河原町宮下で、木造平屋建ての住宅が全焼する火事が起きました。湯河原町消防本部の消防車が現場に到着し、消火作業は30分で終了しましたが、焼け跡から女性の遺体が見つかりました。

最初は、初期消火に間に合わずに火が家中に燃え広がり、気がついたら女性は火に囲まれてしまい、それを見つけた町民が消防本部に通報、消防車が火災現場に到着し消火作業を終えた時には、既に女性は焼け死んでいた、つまり逃げ遅れて死んだ、もっと早く気づけば九死に一生を得ていたと考えていました。

しかし、焼け跡から発見された遺体の頭と顔には刃物で刺されたとみられる創が有りました。抵抗時にできる防御創は有りませんでした。この女性は、運動障害を持っていたということです。神奈川県警が行った司法解剖の結果、死因は脳挫滅でした。

普通、脳みそは頭蓋骨に保護されていますが、女性の場合はそれが折れています。ということは、加害者は強い殺意を持っていたと考えられます。女性を脳死の状態にしてから、とどめとして家に火を付けたとみられます。これでは逃げることはできません。

これは放火と殺人の可能性もなきにしもあらずということで、神奈川県警は湯河原町を管轄する小田原署に捜査本部を設置し捜査を開始しました。

なお、6時間ほど前の深夜、近所で発生した傷害事件では、長さ60㎝ぐらいの鉄パイプを持った襲撃犯は被害者の男性会社員(61)に「お前を殺してやる、覚悟しな」「今日はエイプリルフールじゃ無いぞ、早く帰ってくれ」「お前を騙しに来たんじゃ無い」と殺意を告げると、激しく暴行を加えました。男性会社員は速やかに外に出て、町内を逃げ回りました。襲撃犯も「待ちやがれお前を殺して府中刑務所に行きたいんだ」と言って追いかけてきましたが、JR東日本湯河原駅方面に立ち去ったといいます。男性会社員は自宅に戻り、小田原署に通報しました。

ここで、皆さんにこの事件に関連する犯罪の法定刑について説明致します。

【殺人罪】
死刑もしくは無期または5年以上(原則として30年以下)の有期懲役

【現住建造物放火罪】
死刑もしくは無期または5年以上(原則として30年以下)の有期懲役

【非現住建造物放火罪】
2年以上(原則として20年以下)の有期懲役

府中刑務所は、東芝府中事業所に隣接し、JRA東京競馬場多磨霊園にも近い刑務所で、原則として懲役または禁錮10年未満の再犯者を収容します。

千葉刑務所は千葉の中心市街地に近い刑務所ですが、施設自体は若葉区に位置し、原則として無期または10年以上の懲役または禁錮刑が確定した初犯者を収容します。

黒羽刑務所は、廃止された旧小菅刑務所に代わって新設された刑務所で、原則として懲役または禁錮10年未満の初犯者を収容します。

原則として前科が無ければ千葉刑務所(無期または10年以上の懲役または禁錮刑が確定した場合)、前科が有る場合は府中刑務所(10年未満の懲役または禁錮刑が確定した場合)に収容される事になっています。